私は、大震災前の2010年6月まで東京電力の執行役員であり、
原子力事故について心から申し訳なく思っています。
一方、福島県南相馬市の出身でもあり、風評被害に悩む南相馬市に支援物資を届けるボランティア活動を大震災直後の3月19日から5月にかけて6回にわたって行いました。その際、物資を届けた先で出会った菓子店を営む女性から、 「地元の子どもたちのためになる仕組みを創ってほしい」 と託されました。
私自身も、物流が回復すれば物資支援の役割は終わることから、その後は復興のための継続的な仕組みが不可欠と思っていました。
福島の復興を担う人材を育成するという私の”志”は、こうして生まれました。
~”憧れの連鎖”こそ、福島の未来を拓く原動力になる~
福島が前のように、いや前にも増して輝くには、まだまだ長い時間がかかります。そして、この挑戦には、多くの力が必要になります。
私たちの”志”は、この土地の若者とともに走りながら、<福島型のアントレプレナー>を育ててゆくこと。課題解決のために、自ら考え、自ら行動できる。仲間をつくり、事業を起こすことができる。
そんな若者が次々と生まれ結果を出していける日を、私たちは思い描きます。自立した彼らは周囲の憧憬の対象となり、あとに続く子どもたちも増えていく。 この”憧れの連鎖”こそ、福島の未来を拓く原動力になるのだと思うのです。
~あすびと福島のはじまり~
はじまりは、東日本大震災から1年後の2012年4月。福島県南相馬市。
子どもたちの自ら考え行動する力を育む体験学習を行うために、私たちは、一般社団法人「福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会」をスタートさせました。 長い時間がかかる福島の復興。それを実現するには、志に満ちた復興を担う人材が必要だと信じたからです。
~体験の提供から人材育成へ~
2013年4月、完成した南相馬ソーラー・アグリパークを舞台にして、地域の小中学校と連携した体験学習。次に週末や夏休み・冬休みを使った小中学生のオープンスクール。そして2014年5月、福島県郡山市を拠点とした高校生のオープンスクール。さらに大学生のための社会起業塾による人材育成へ。
福島の復興を担う人材の育成という私たちの志は、小さい実績ですが、着実にその幅を広げつつあります。また、人材育成を継続する経済性を確立するため、企業の社員研修に役立ちつつ、その対価を浄財としています。
~南相馬から福島全体の復興へ~
そして、2016年1月。南相馬を大切にしながら、福島全体の復興へ貢献する志をさらに明確にするために、私たちは、自らの名称を一般社団法人「あすびと福島」に変更しました。 “あすびと”とは、明日をつくる人。明日を切り拓く人。 私たちは、たくさんの”あすびと”たちを、福島に、日本に送り出したいと願っています。
一般社団法人あすびと福島HP
http://asubito.or.jp/about/ambition.html
■被災地から出でよ!ソーシャルアントレプレナー「あすびと福島」が挑む人材育成
(前編) https://www.ashita-lab.jp/special/8962/
■ソーシャルビジネスが生み出すのは”憧れの連鎖”「あすびと福島」が挑む人材育成
(後編)http://www.ashita-lab.jp/special/8963/
■あすびと福島 企業研修(2018年3月11日BSフジ「甦れ!東北の鉄路」
https://www.youtube.com/watch?v=dEQQScvWgZ4
2016年に完成した新しいセンターハウスは、階段教室、キッチン、研修室、テラスなどを備え、子どもたちとの体験教室や地域住民の方々のイベントなど、様々な用途でご利用いただいています。
島田綾子
1 、あすびと福島で働き始めるきっかけ
大学生時代に参加した福島へのスタディツアーをきっかけに、福島で1年間、旅づくりのインターンをしていました。旅行者が楽しむことはもちろん、行った地域に世転ばれるような旅を作りたいと考えていましたが、実際に企画運営してみると、旅は地域を良くする一つの“手段”であることに気づいたんです。地域に合う“手段”を創り出せる“人”を育て、増やすことも大切だと考えました。そこで卒業後の進路として、地域の担い手づくりを福島 で挑戦できる場を探していたところ、知人に紹介していただきました。
2 、仕事上のやりがい
高校生や大学生が地域で新たな挑戦をし続ける隣で、一緒に伴走できることが喜びです。一方、どこまで自分たちで頑張ってもらうか、どう接すれば成長に繋がるのかという難しさもあります。そういう学生たちが、経験を重ねるにつれて自分の言葉で語り、自ら行動していくようになる姿を見られるので、とてもやりがいがあります。
3、 福島・南相馬への想い
首都圏と比べれば若い人は少なく、地元の人には福島で暮らすことを「大丈夫なの?」「なぜわざわざ?」と言われます。これほど人が避けたがる地域だからこそ、人が育つ場を生み出す必要があるし、成功すればどれほど困難な地域にも応用できると確信しています。地域の担い手づくりにおいて最も難しく、最もやりがいがある地域だと思っています。
4、 今後の目標
学生とスタッフのやり取りはもちろん、大学生が高校生にアドバイスし、高校生が子どもたちと接しながら学ぶような、縦の繋がりを生んでいきたいです。さらには地域の大人や県外の人々も関わり、当たり前に社会活動や地域での繋がりが生まれていくと良いですね 。
沖沢真理子
1、あすびと福島で働き始めるきっかけ
震災前に地域の子供を地域でみようと「地域児童クラブ」を立ち上げ、活動していたこともあり、 子供の活動する場を創ることには大きな関心が常にあります。
震災後、子供たちの活動する場の必要性を感じていたときに新聞記事であすびと福島立ち上げ の記事を読み、入社を決めました。
2、仕事上のやりがい
小中学生の体験では、楽しみ、学び、発見を言葉にすることを大事にしています。担任の教員や保護者の方から、来てよかったとの声や、子どもたちからまた来たいとの声は嬉しく感じる瞬間です。
高校生の活動を 2015 年から伴走して、想いを引き出し良い形に持っていけたときや、高校生が自分の考えを後輩に伝えて自分の活動を誇らしく思っている様子をみたとき、この仕事をやっていて良かったと感じます。
3、福島・南相馬への想い
ゆったりとして素敵なところです。海があり、山があり、川があり美味しい野菜と面倒見の良い方が多い地域です。被災したけれど、その悲しさや悔しさをバネにして前向きに活動している場所だと思っています。
4、今後の目標
活動に伴奏していた大学生や高校生と新しい活動を立ち上げることが目標です。活動はまだ具体的ではないですが、子どもたちに向けた活動やお母さんたちに向けた活動など、地域の魅力を作れる場所を学生と一緒に創っていきたいですね。
自分たちの地域について誇りを持って語れる土地にすることが目標。ペッパーを活用して福島イノベーションコースト構想を子どもたちや地域の人に楽しく発信することで、自分たちの地域の活動に詳しい土地にしていきたいと考えています。
会社名 | 一般社団法人あすびと福島 |
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設立までの経緯 | 2012年4月 一般社団法人「福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会」を開始。 2013年4月 南相馬地域の小・中学生を対象にしたオープンスクールを開始。 2014年5月 福島県郡山市を拠点とした高校生のオープンスクール。さらに大学生のための社会起業塾による人材育成開始。 2016年1月 法人名を「一般社団法人あすびと福島」に変更 |
南相馬ソーラー・アグリパーク | 住所:〒975-0023 福島県南相馬市原町区泉字前向15 TEL:0244-26-5623 FAX:0244-26-5624 |
東京事務所 | 住所:〒108-0023 東京都港区芝浦3-20-10 岩本ビル4階 TEL:03-3456-0407 FAX:03-3456-0409 |
https://www.facebook.com/minamisomasolaragripark/ |
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